搭乗予定の64歳パイロット逮捕
エミリアーノ・サラ選手が墜落事故の犠牲に
2019年1月21日(月)、サッカー選手エミリアーノ・サラさんの乗った飛行機がイギリスで消息を絶ち、2月7日(木)死亡が確認されました。
エミリアーノ・サラ選手とは?
- エミリアーノ・ラウール・サラ・タファレル
- Emiliano Raúl Sala Taffarel
- 1990年10月31日生まれ、事故当時28歳
- アルゼンチンサンタフェ州プログレソ出身
- ハリルホジッチ監督率いるフランス1部のサッカーチーム「FCナント Nantes」FW
低迷するチームにおいて、シーズン19試合で12ゴールを記録し得点王として活躍。この活躍でバルサの補強候補にも挙がるなか、1月19日にチーム史上最高額の1700万ユーロ(約22億円)でイングランドのプレミアリーグ「カーディフ・シティ Cardiff City FC」に移籍が決定。
チームメイトに別れを告げイギリスのカーディフへと旅立つ途中、事故に遭いました。
事故について詳しく
2019年1月19日(土)にイギリスでカーディフと契約を交わしたサラ選手はその足で一度フランスに戻り、1月21日(月)ナントのチームメイトと最後のお別れをしました。これがサラ選手最後の投稿です。
La ultima ❤️ ciao @FCNantes 👋🏻💛💚 pic.twitter.com/SV1dNHbYYH
— Emiliano Sala (@EmilianoSala1) 2019年1月21日
この写真の後ロワール=アトランティック空港に到着。19時15分ウェールズに向かう小型飛行機に搭乗し、20時23分イギリス海峡でレーダーから姿を消します。
当時の天候は雨。5000フィートの高度でガーンジー島を通過し緊急着陸を要求した後、北方約20キロの地点、2300フィートの高度で交信が途絶えました。
イギリス海峡の冬は厳しい寒さで知られ、翼の着氷やエンジン凍結の可能性も考えられるということです。
当初は月曜日の朝に出発する予定でしたが、出発が10時間遅れ悪天候の夜間フライトになってしまいました。
パイロットはDavid Ibbotson氏
搭乗者はサラ選手とパイロットの2人でした。
パイロットのデービッド・イボットソン (デビッド・アイボットソン)氏 (60歳)は、イギリス北部スカンソープに住み、家族は妻ノラさんと3人の子供。
ボイラー修理会社を営む傍らプライベートフライトのパートタイムパイロットとしても豊富な経験を持ち、英国パラシュート協会のメンバーでもありましたが、商業用のライセンスは所持していませんでした。11月の健康診断には合格していたことが航空局に記録されています。
イボットソンさんは19日(土)午後、ナント空港の隣のホテルからFacebookに投稿。その際「計器着陸装置が少し錆びている」という言葉を冗談として残していました。
イボットソンさんと彼が所有するパイパー機は、サッカーエージェントのMark McKay氏の手配でチャーターされましたが、氏は飛行機やパイロットの選択には関与していませんでした。
18日(金)にサラ選手が突然ナント行きを希望したため、翌19日(土)のカーディフとの契約後に飛べるプライベートフライトを急遽探したということです。
過失致死で別のパイロット逮捕
2019年6月19日、ドーセット警察は不法行為による過失致死の疑いで、ノースヨークシャー出身の64歳の男を逮捕。この男はパイロットのDavid Henderson(デービッドヘンダーソン)とみられ、事情聴取に協力しすぐに釈放されました。
David Hnderson氏は前述のサッカーエージェントMark McKay氏の父で大物エージェントであるWillie McKay氏のお抱えパイロット。
Willie氏はヘンダーソン氏にカーディフ~ナント間のフライトを依頼。飛行記録にはパイロットとしてヘンダーソン氏の名が登録されていました。しかしヘンダーソン氏は商用ライセンスを持たないイボットソン氏にフライトを任せていたことが判明。フランスの駐機場の監視カメラに映っていたのはスーツケースを持つイボットソン氏とサラ選手の姿のみ。他の搭乗者はいませんでした。エージェントはヘンダーソン氏に飛行機を操縦するよう要求していたともいいます。
当初は事故機のパイロットとして報道されていたヘンダーソン氏。事故翌日Facebookに自分が元気であることを示すメッセージを投稿していました。
BREAKING Missing pilot flying plane carrying Emiliano Sala named as Englishman David Henderson https://t.co/X09X3BER9j pic.twitter.com/UshDxrltqS
— EDAFE MATTHEW ESEOGHENE (@ELEGBETE1) 2019年1月22日
捜索終了と再開
事故から80時間が経過した日本時間1月25日未明、消息不明地点の管轄であるガーンジー警察は、生存の可能性が極めて低いことから捜索終了を発表。
事故以来、3機の航空機、5機のヘリコプター、2機の救命艇、民間の船と漁船も協力し約1,700平方マイルのエリアを徹底的に捜索していました。
携帯電話の記録や衛星画像も調べましたが、航空機やサラ選手とパイロットの行方は確認できなかったということです。
アルゼンチンのマウリシオ・マクリ Mauricio Macri 大統領は、捜索活動の再開を英仏両国に正式に要請するよう外相に指示しました。
16.10 update
— Guernsey Police (@GuernseyPolice) 2019年1月22日
This is the area which has been searched, totalling 1,155sq miles pic.twitter.com/x6p8gHJj9Y
クラウドファンディングで捜索再開へ
フランスでは捜索再開を訴える署名が8万筆を越える中、1月25日(金)午後にサラ選手のエージェントである「Sport Cover」がクラウドファンデイングサイト「gofundme」で捜索費用の募金を開始。
メッシやマラドーナ、セルジオ・アゲロといったアルゼンチンのスター選手の呼びかけもあり、すぐに目標額を達成。27日(日)には海洋科学者のDavid Mearns氏率いるチームが捜索を再開し、警察の捜索にも携わった2隻の漁船がイギリス海峡に戻りました。
「gofundme」ではハリルホジッチ監督や多くのサッカー選手が募金し、当初の目標15万ユーロを瞬く間に達成。目標額が30万ユーロに引き上げられました。日曜日の午後にはそれすらも達成し、日本円で4000万円以上の募金が集まっています。(2019年1月28日現在)
募金方法
下のリンクから募金ページに飛び「DonateNow」をクリック。「募金額」をユーロで入力し「名前」「メールアドレス」「国(Japan)」「郵便番号」「クレジットカード番号」「有効期限」「カード裏側の3桁の数字 (アメックスの場合は表の4桁)」「コメント(任意)」を記入し「Donate」ボタンをクリックすれば募金完了。「tip」は「gofundme」サイトへ送るチップの額です。運営費用等に充てられると思われます。(1ユーロ=約125円)
機体発見・遺体収容
2月3日、イギリス航空事故調査局(AAIB - Air Accidents Investigation Branch)は、サラ選手が搭乗した飛行機の機体を水深63mの地点で発見したことを発表。水中カメラでの調査により、驚くほど無傷の機体に一体の遺体が残されていることが判明します。
2月7日、イギリスのポートランドにこの遺体が運び込まれ、指紋の照合によりエミリアーノ・サラ選手の亡き骸であることが判明。死因は頭と体の損傷でした。2019年6月現在パイロットのデビッドイボットソンさんの遺体は見つかっていません。
墜落したと想定される場所で浮遊物が見つかったほか、フランス北部ノルマンディの海岸にはこの飛行機のものと思われるシートクッションが2つ漂着しています。
#Update The body brought to Portland Port today has been formally identified by HM Coroner for Dorset as that of professional footballer Emiliano Sala.
— Dorset Police (@dorsetpolice) 2019年2月7日
The families of Mr Sala and pilot David Ibbotson have been updated. Our thoughts remain with them all
https://t.co/YpVTvaEt7P
事故機は調布民家墜落事故と同型機
搭乗していた飛行機は、パイパーPA-46-310P、機体記号「N264DB」。製造から25年が経っていました。
このパイパーPA-46は、2015年に調布飛行場から飛び立ち民家に墜落した飛行機と同型のものです。
超ショッキング遺体画像流出
海外サイトにはサラ選手の遺体とされる画像が出回っています。あまりにもショッキングな画像のため当サイトでは掲載を躊躇していましたが、tocanaに掲載されていることがわかりました。tocanaのサイトでは比較的安全に閲覧することが可能です。
まず下のリンクをクリックすると、1ページ目は文字だけの安全なページ、2ページ目には「衝撃的な画像を掲載しています」とありますが、全体的にモザイクが掛けられていて色しかわからないため、多少の刺激に耐えられる方は2ページ目に進んでも大丈夫です。
2ページ目に進むとまずYoutubeの動画があります。この動画はFake動画で、コメント欄には写っている機体が事故機と無関係であると多くの視聴者から指摘されています。内容は飛行機とサラ選手のTatooだけなので刺激的な要素はありません。Youtubeでコメントを確認。
問題の画像については、先述のとおりモザイクが掛けられていて、モザイクなしのものはページ内のリンクに飛ぶと見ることができます。こちらは超超超超閲覧注意な画像のため、食事の前後や刺激に弱い方、怖がりの方や深夜の閲覧には十分に気をつけ心の準備をしてからクリックしてください。
このご遺体が本当にサラ選手のものなのかは腕の上部に女性の顔が描かれた特徴的なタトゥーでしか確かめる術はありませんが、あまりに衝撃的で長い時間凝視することができないことと肩が隠れている画像ばかりのため、現在のところ同じタトゥーの画像は見つけることができていません。
報道には頭部と胴体の損傷が死因とあるので画像とは一致しているようです。もし本物であるとするなら航空機事故というものはこれほどまでに恐ろしくまたやりきれないものなのかと改めて強く思いました。
画像流出で男女逮捕
上記の遺体画像を流出させたとされる、ウィルトシャー州コーシャム出身の女(48)とCalne出身の男(62)が不正アクセスなどの罪で2019年4月29日逮捕されましたが条件付き保釈ですぐに釈放されています。画像はドーセット ボーンマスの遺体安置所で撮影されたものだということです。
ウィルトシャー州警察は「遺体安置所への侵入を示唆する証拠はなく、遺体安置所の職員、あるいは実際には他のあらゆる協議会職員が不正行為に関与していることを示唆する証拠はない」と話しています。
消息不明直前に送られた最後のメッセージ
サラ選手は消息を絶つ直前、兄弟や友人グループに「WhatsApp」でオーディオメッセージを送っていました。こちらの動画がサラ選手の最後の肉声です。
「弟たちよ、調子はどうだ?」
「弟よ、僕は死んだ。ナントでたくさんやることがあって、こっちに来ていたんだけど」
「いま僕の乗っている飛行機が落ちそうだ。カーディフに行くところだった」
「明日から新しいチームでトレーニングが始まる予定だった。果たしてどうなるだろうか。家族みんなの調子はどうだい?」
「僕は飛行機に乗っているが、粉々になりそうだ」
「もし1時間半後に僕から何の連絡もなければ……誰かが僕を救出しに来てくれるかは分からない。見つからないだろうから。だけど……父さん、僕はいまどれぐらい怯えているだろう?」
友人ロラン氏は、彼は「この飛行機とても怖い」と言っていた。彼はすでに何かが起きることを知っていたんだ。と語りました。
サラ選手の葬儀
サラ選手の葬儀は2月16日に故郷プログレソで営まれ、カーディフの監督やケンチューCEO、町長らも参列。会場となったのは少年時代にプレーしていたクラブの体育館で、3000人もの弔問客が集まりました。
【3000人以上が弔問】エミリアーノ・サラ選手の葬儀が故郷で営まれるhttps://t.co/8atTWKCHWy
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2019年2月17日
悲劇に胸を痛める家族や友人、ファンが訪れ死を悼んだ。「君は決して一人じゃない」というメッセージも掲げられた。 pic.twitter.com/ileDuELL55
父と親友急死・恋人や同僚選手は・・・
事故後立て続けに急逝したサラ選手の父親と親友をはじめ、家族や恋人、ハリルホジッチ監督など悲しみにくれる周囲の人々については2ページ目に移動しました。
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